ペイジ・ベッカーズ

前半の成功率55.3%はリンクス戦で2016年以来の高さ、それでも3連敗──ベッカーズ23得点8アシストのウィングスに、シェパード右足首という追い打ち

 

リーグ最高勝率のミネソタ・リンクスに敵地で90-103と敗れ、ダラス・ウィングスが3連敗となりました。ペイジ・ベッカーズはフィールドゴール15本中10本成功で23得点8アシストという、個人としては文句のつけようがない一日を過ごしています。それでもチームの成績は今季19勝14敗にとどまっています。しかも試合の途中でジェシカ・シェパードが右足首を痛め、そのままコートへ戻ってきませんでした。数字を並べれば並べるほど「負ける理由が見当たらないのに負けている」という不気味さが浮かび上がってくる、そんな一戦でした。

内容で上回りながら落とした一戦、分かれ目は3ポイントの18対6

試合そのものは決して一方的ではありませんでした。8度の同点と6度のリードチェンジが生まれ、第3クォーター残り3分26秒の時点では66-66で並んでいました。そこからリンクスに37-24で押し切られたのが、最終的な13点差の正体です。

シュート成功率はウィングスが54.4%(68本中37本)、リンクスが55.6%(72本中40本)とほぼ互角でした。前半に限れば38本中21本の55.3%で、これは2016年以降のリンクス戦でウィングスが記録した前半最高の数字です。リバウンドも34対24でウィングスが上回り、リンクスの24本は今季最少に抑えています。ペイントでの得点は44対34、ベンチ得点にいたっては34対8で上回っています。要するに、ほとんどの項目でダラスは勝っていました。

決定的に違ったのは3ポイントだけです。ミネソタが18本沈めたのに対し、ダラスは6本にとどまりました。相手に許した18本は、ウィングスの対戦相手が1試合で決めた球団史上最多タイの本数でした。うち10本はケイラ・マクブライドひとりのもので、彼女の43得点はウィングスを相手に単独の選手が挙げた球団史上最多得点でもあります。守備の設計が崩れたのではなく、一点に空いた穴から全部持っていかれた負け方でした。

ベッカーズの数字は落ちていません、崩れているのは並びのほうです

ベッカーズの23得点は、今季18度目となる20得点超えです。8アシストはチーム最多アシストとして今季13度目、8アシスト以上に届いたのは6試合目になります。スティール3本は今季自己最多タイでした。エースの生産性という一点においては、この3連敗中もまったく揺らいでいません。

問題は周りの並びが毎試合入れ替わっていることです。この日の先発はオデッセイ・シムズ、ベッカーズ、アリーケ・オグンボワレ、シェパード、アラナ・スミスという組み合わせで、これは今季8度目、しかも5月24日以来でした。そのシェパードが第1クォーター残り5分15秒で右足首を負傷し、球団はその日のうちに復帰なしを発表しています。ルーキーのアジ・ファッドも右膝の張りで2試合連続の欠場でした。

穴を埋めたのはベンチです。アザイア・ジェームズがわずか15分の出場で自己最多の19得点6リバウンド、プラスマイナスもチーム最高の+8を記録しました。7月20日以来の先発となったシムズは17得点で、2桁得点は今季4度目、5月22日以来のことです。控えが34得点を叩き出しても勝てなかったという事実は、裏を返せば主力の欠場が常態化しつつある証拠でもあります。

直近8試合を並べると、7月20日のリバティ戦(98-99の延長負け)、22日のファイア戦勝利、29日のドリーム戦(81-82)、31日のミスティックス戦(75-81)、8月2日のサン戦勝利、5日のミスティックス戦(92-96)、7日のヴァルキリーズ戦(76-94)、そしてこの日と並べて2勝6敗となります。しかも1点差と4点差の敗戦が3つ含まれています。リンクス相手には今季0勝4敗で、シーズンシリーズを完全に献上しました。

修正すべきは戦術ではなく「誰が出られるか」かもしれません

インサイドで10点上回り、ベンチで26点上回り、リバウンドで10本上回って負けたチームに、抜本的な戦術改造は必要ないというのが筆者の見方です。修正点はかなり具体的で、ボールスクリーンからのヘルプの戻りと、シューターへのクローズアウトの速さ、この2つに集約されます。マクブライドの10本のうち複数がリズムに乗った状態からの連続得点だったことを考えれば、最初の2本を渡さない距離感の問題だとも言えます。

より現実的な変数は負傷者です。3ポイントを持つファッドが戻れば本数差は自然に縮まりますし、インサイドで体を張れるシェパードの離脱が長引けば、この日リンクスの24本に抑えたリバウンド優位は次の試合から怪しくなります。直近の負けはいずれも僅差か、特定の相手の一発に崩された形で、土台そのものが壊れているようには見えません。だからこそ、誰がコートに立てるかという一点が順位を左右します。

そしてその順位争いは異様に密集しています。2位のエーシズから8位のリバティまでわずか3.5ゲーム差で、その間にヴァルキリーズ、ドリーム、ウィングス、フィーバー、ミスティックスがひしめいている状況です。1つの連敗がそのまま2つ3つの順位に跳ね返る局面に入っており、19勝14敗という数字の「見た目の余裕」は、実態としてほとんど存在しません。

次戦はホームでテンポ戦、全米中継が入ります

ウィングスは本拠地カレッジパーク・センターに戻り、トロント・テンポを迎えます。現地水曜午後7時(中部時間)のティップオフで、日本時間では8月13日午前9時開始の予定です。全米中継はUSAネットワーク、ダラス・フォートワース地区ではKFAAでの放送が予定されています。

相手のテンポとは今季すでに2度対戦しており、7月5日が89-76、7月10日が108-95と、ウィングスがいずれも勝っています。連敗を止めるには悪くない相手です。ベッカーズが今季19度目の20得点超えを決めるのか、それともファッドやシェパードの状態が先に答えを出すのでしょうか。連敗の数字以上に、スターター5人の名前がどう並ぶかに注目したい一戦です。なお勝ったリンクスは27勝7敗となり、リーグ最高勝率を維持しています。

引用:https://www.oursportscentral.com/services/releases/minnesota-troubles-continue-for-wings/n-6399287

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