現地時間8月23日、ラスベガス・エーシズがトロント・テンポ戦を前に、エイジャ・ウィルソンを腰の負傷でクエスチョナブル(出場微妙)に指定しました。当初のインジュリーリポートには名前が載っておらず、試合当日になって急きょ追加された形です。通算4度のMVPに輝いた看板選手が、プレーオフ順位争いの真っ只中でリストに載ったこと自体が、ちょっとした事件だと感じました。地元紙ラスベガス・レビュー・ジャーナルによれば、今回の腰の違和感には、はっきりした試合中の原因が見当たらないとのことです。派手な接触や転倒があったわけではないぶん、かえって読みにくい状況だといえます。
得点とブロックでリーグ1位、直近の数字は落ちていません
ウィルソンの今季平均は25.9得点9.5リバウンド3.1アシスト、そしてブロックが2.0です。得点とブロックはいずれもリーグトップで、数字の上では衰えの兆候はまったく見えません。
直近の内容も悪くありませんでした。8月20日のコネチカット・サン戦では27分の出場で20得点3リバウンド4アシストを記録し、チームは101対78で快勝しています。この試合はジャッキー・ヤングが24得点7リバウンド5アシストとチーム最多得点を挙げており、ウィルソンが最後まで引っ張らなくても勝ち切れた一戦でした。テンポとの今季2度目の対戦を前にした直近の顔合わせ、8月6日のトロントでの試合では、ウィルソンが両チーム最多の26得点に6リバウンド4アシストを加え、109対83で圧勝しています。つまり相性が悪い相手ではなく、それだけに当日の欠場リスクが浮上したインパクトは小さくありません。
キャリアで休んだのはわずか11試合、いない時は1勝2敗
ウィルソンの稼働率の高さは、そのままエーシズの強さの土台になってきました。レギュラーシーズンでこれまで欠場したのはキャリア通算でわずか11試合です。今季も7月上旬に、シカゴ・スカイ戦で不自然な転倒により右足首を痛めて3試合を離脱したのと、2週間ほど前にニューヨーク・リバティとのバックトゥバック2戦目でチームの主力ごと休養に回ったくらいでした。
問題は、彼女が不在の時のエーシズが今季1勝2敗にとどまっている点です。さらにリバティとのコミッショナーズカップ決勝も、ウィルソン不在のまま落としています。この試合は順位に影響しない扱いですが、頼れる7フッターがいない時のオフェンスの詰まり方を露呈した一戦でした。ヤングとチェルシー・グレイが得点を分担する形になるものの、リムアタックとブロックの両面を一人で背負える存在の代役は、簡単には見つかりません。
順位争いは半ゲーム差、ここからは「休ませ方」の勝負です
エーシズはテンポ戦を25勝13敗で迎えました。順位表ではアトランタ・ドリームに半ゲーム、インディアナ・フィーバーに1ゲームのリードという、極めて薄いマージンです。1試合の取りこぼしがそのままホームコートアドバンテージの喪失につながる位置にいます。
ここからのベッキー・ハモンの判断は、なかなか難しいはずです。腰の違和感は、無理に押して悪化すると一気に長期化しやすい部位でもあります。プレーオフ本番まで残り試合が少ないこの時期に、目先の1勝と本番の万全さのどちらを取るのか。筆者は、テンポのように相手が主力を大量に欠く試合こそ、思い切って休ませる価値が高いと見ています。MVPレースでもオリビア・マイルズやケイトリン・クラークとの争いが続いており、欠場が投票に影響する可能性はゼロではありません。それでも、3連覇の称号よりチャンピオンシップを優先するのがこのチームらしい選択でしょう。
相手のテンポも満身創痍、注目は主力不在同士の一戦
一方のテンポも状況は深刻です。マリーナ・メイブリー(右内転筋)、ブリトニー・サイクス(左足)、アニーサ・モロー(左膝)、マリア・コンデ(左ふくらはぎ)、ニアラ・サバリー(左ふくらはぎ)の5人が欠場と発表されました。エーシズ側もダナ・エバンスが左脚の負傷でクエスチョナブルに入っています。会場はバンクーバーのロジャーズ・アリーナ、ティップオフは東部時間の午後7時です。
WNBAはいよいよプレーオフ争いの最終盤に入ります。エーシズの残り試合と順位は、WNBA公式の順位表で確認できます。ウィルソンの状態がどこまで回復するのか、続報を待ちたいところです。

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