アリーヤ・ボストン

最長身196センチのアメリカと218センチを擁する中国、開幕戦に横たわる22センチの異変

 

9月4日にベルリンで開幕するFIBA女子バスケットボールワールドカップ2026で、4連覇中のアメリカが初戦にぶつかるのは中国です。優勝候補筆頭であることは動きませんが、この1試合に限っていえば、アメリカが数字の上で明確に劣る項目がひとつあります。高さです。スポーツ・イラストレイテッドは9月1日、中国が並べるサイズをアメリカにとっての「難題」と表現しました。個の能力で押し切れるという前提が、初日にどこまで通用するのか。そこが見どころになりそうです。

中国のロスターに並ぶ数字

まず、WNBAファンにもなじみのある2人がいます。リバティのセンターであるハン・シューは6フィート8インチ、日本式に直せば約203センチです。ウィングスのセンターであるリー・ユエルーは6フィート7インチ、約201センチ。この2人だけでも、アメリカの最長身であるアリーヤ・ボストンの6フィート5インチ、約196センチを上回ります。

そして中国には、その2人がロスター最長身ではないという事情があります。19歳の張子宇(ジャン・ズーユー)です。スポーツ・イラストレイテッドは彼女を7フィート2インチ、約218センチと記載しています。身長表記は媒体によって幅があり、7フィート5インチと伝える媒体もあるため、正確な数値は現地での計測を待つ必要がありますが、いずれにせよボストンとの差は20センチ前後に達します。同メディアは、彼女がWNBAに来れば即座にリーグ史上最長身の選手になると見ています。

エイジャ不在という前提の変化

この構図を厄介にしているのが、エイジャ・ウィルソンの欠場です。負傷への対応でワールドカップを回避したことで、歴代最高クラスのインテリアディフェンダーがベルリンにいません。結果として、中国のビッグマン対策はボストンに集中します。ウィルソンの代役として入ったキキ・イリアフェンは6フィート3インチ、約191センチ。エンジェル・リースも同じ6フィート3インチ、ブリアナ・ステュワートが6フィート4インチ、ナフィーサ・コリアーは6フィート1インチです。中国が長身選手を2枚同時にコートへ置いた場合、ミスマッチは避けにくくなります。

張子宇の背景も押さえておきたいところです。ハイポスト・フープスによれば、両親はともにプロ選手で、父は中国バスケットボール協会のチーム、母は山東省のセンターでした。2024年のFIBA U18女子アジアカップでは平均35得点12.8リバウンドを記録してMVPに選ばれています。世代別の大会とはいえ、この数字は異常です。

2027年ドラフトを見据える視線

この試合には、もうひとつの意味が乗っています。張子宇は2027年のWNBAドラフトで上位指名が有力視されており、今回の大会は各球団のフロントにとって、WNBAのトップ選手を相手にした彼女を初めて本格的に確認できる機会になります。2027年クラスにはUSCのジュジュ・ワトキンス、ノートルダムのハンナ・ヒダルゴ、テキサスのマディソン・ブッカーらが並び、すでに近年でも屈指の顔ぶれと言われています。そこへ218センチという物理的な希少性が加わったとき、全体1位の議論がどう動くのか。9月4日の40分間は、その判断材料の初回サンプルになります。

もっともアメリカ側の視点で言えば、高さの差は必ずしも敗因になりません。走らせて消耗させ、外から崩すという解法は昔からあります。リースのリバウンド能力も、身長差を単純な優劣にしない要素です。むしろ注目すべきは、ウィルソンなしでインテリアをどう組むかという設計が、大会初日にいきなり実戦で試されるという順番の悪さでしょう。

視聴に向けての情報

大会は9月4日から13日まで、ドイツ・ベルリンのベルリン・アリーナとマックス・シュメリング・ハレで開催されます。16チームが4組に分かれてグループフェーズを戦い、準々決勝は9月10日、準決勝が9月12日、決勝と3位決定戦が9月13日という日程です。アメリカと中国の顔合わせは初日の9月4日。日本代表も同じ日に大会をスタートします。

アメリカが勝つ確率は高いままです。それでも、点差がどれだけ開くかよりも、中国のビッグマンがゴール下で何本決めたかのほうが、この日の記憶に残るかもしれません。

※FIBA女子バスケW杯2026

引用:https://www.si.com/onsi/womens-fastbreak/news/team-usa-faces-tall-task-in-fiba-world-cup-opener-against-china

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