9月14日と15日、ニューヨークでNBAの理事会が開かれます。オフシーズンの定例会議と片付けるには、今回は議題が重すぎます。ラスベガスとシアトルへの拡張、NBAヨーロッパ、そしてクリッパーズへの制裁。ESPNのブライアン・ウィンドホーストは、この2日間がリーグの形そのものを変え得ると伝えています。筆者の見立てでは、最も長く影響が残るのは3つ目ではなく1つ目です。
2日間で動く3つの議題
報じられている議題は大きく3本です。ひとつはクリッパーズへの処分の続き。リーグはサラリーキャップ回避の認定にともない、5つの1巡目指名権の剥奪と3000万ドルの罰金、オーナーのスティーブ・バルマーへの1年間の資格停止などを科しました。ビジネス部門社長のジリアン・ザッカー、バスケットボール部門社長のローレンス・フランクも処分の対象です。アダム・シルバーがこの裁定について公の場で語るのは、来週が初めてになる見込みです。
ふたつ目はNBAヨーロッパです。ウィンドホーストによれば、リーグは2027年秋の開幕に向けて準備を進めており、常設12チームに4つの入れ替え枠を加える構想が想定されています。ユーロリーグ側のオーナーは10月5日にイタリアで会合を開き、NBA主導のリーグに合流するか、独自路線を維持するかを話し合う予定です。
そして3つ目が拡張です。リーグはここ数か月、ラスベガスとシアトルの双方でオーナー候補を精査してきました。来週、30人のオーナーが「30チーム体制を超えるかどうか」そのものを投票にかける可能性があります。
150億ドルという数字を分解する
拡張が現実味を帯びている最大の理由は、金額です。ウィンドホーストによると、複数の球団は既存1球団あたり5億〜6億ドルの分配を見込んでいます。30球団を掛け合わせれば、2チーム分の加盟金として総額150億〜180億ドルという規模になります。1チームあたり75億〜90億ドルという計算です。
ESPNの報道では、80億ドル前後を想定していたラスベガスの入札者が、その水準では足りないと早々に知らされたとされています。シアトルはこれよりかなり低い金額で収まる見通しです。同じ「新規参入」でも、市場によって価格が倍近く違うということになります。
NBAが最後にチーム数を増やしたのは2004年のシャーロット・ボブキャッツで、以来22年にわたって30チーム体制が続いてきました。この22年でリーグの放映権とスポンサー収入は桁が変わりました。つまり今回の加盟金は、過去の拡張の延長線ではなく、まったく別の商売として設計されているのです。
拡張はコートの上に何をもたらすのか
ここからは独自の見立てです。2チームが増えれば、選手は単純計算で30人前後、スタッフを含めれば数百人分の職が新しく生まれます。ロースター末尾で椅子取りゲームをしている選手たちにとっては、これは朗報以外の何物でもありません。一方で、戦力の希薄化を懸念する声も必ず出てくるでしょう。ただ、近年のドラフトに国際的な人材が流れ込んでいる状況を見る限り、20年前ほど単純な話ではないと筆者は考えています。
もうひとつ見逃せないのが、拡張ドラフトによる既存チームへの影響です。各球団が保護できる選手は限られるため、ローテーションの3番手から6番手あたりの有力選手が新チームに流出する可能性があります。オフの補強計画は、この一点だけで何年も前倒しで考え直さなければならなくなります。
クリッパーズの件が理事会の空気に影を落とすのも確実です。制裁の中身には5年間の監視プログラムが含まれており、あるゼネラルマネージャーはウィンドホーストに対し「メールやテキストを全部読むということなのか」と困惑を口にしています。ガバナンスの信頼が揺れている時期に、新しいオーナーを2組迎え入れる。この順番の危うさを、何人のオーナーが指摘するかにも注目したいところです。
日本のファンにとっての意味と、これからの日程
ラスベガスとシアトルにチームができれば、西海岸の試合数が増えます。日本時間の午前中にゲームが並ぶ枠がさらに厚くなるということで、リアルタイム観戦の選択肢は確実に広がります。NBAヨーロッパが動き出せば、アジアでの展開についても遅かれ早かれ議論が及ぶはずです。
まずは9月14日と15日の理事会、そして10月5日のユーロリーグ会合。この2つが終わったとき、NBAの世界地図は今とは違う形で語られているかもしれません。
引用:https://www.hoopsrumors.com/2026/09/nbas-board-of-governors-to-meet-next-monday-tuesday.html

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