女子バスケットボール殿堂入りを目前に控えたレジェンドたちが、晴れの舞台の直前にあえて重いテーマで口を開きました。2度のWNBA最優秀選手に輝いたキャンディス・パーカーとエレナ・デレ・ドンヌ、そして4度の優勝を誇る名将シェリル・リーブが、現地6月26日に揃ってリーグの審判基準とプレースタイルに言及し、「もっと選手を守るべきだ」と声を揃えたのです。前日にマーキュリーのアリッサ・トーマスがケイトリン・クラークへの危険な行為で出場停止処分を受けたばかりというタイミングだけに、祝賀ムードのはずの会見が一転、リーグへの問題提起の場になりました。第一印象として、現役を退いた当事者たちがここまで踏み込んだことに、事態の深刻さがにじみます。
トーマスの一件を受けた異例の問題提起
発端は、現地6月24日の試合中にトーマスがルーズボールの競り合いでクラークの首元に拳を突き入れたように見えたプレーでした。試合中はノーコールでしたが、翌日のリーグ審査でフラグラント2と判定され、1試合の出場停止が科されています。会見でパーカーは「フィジカルさは昔から常にあった」と前置きしつつ、自分たちが激しい接触に耐えてきたからといって、それが当たり前であるべきだとは思わないと明言しました。生涯背中の故障と闘い続けたデレ・ドンヌは、もっと自由な動きを許してほしかったと振り返り、ESPNの取材に対して「正直に言えば、私の背中は、もう少しそういう判定があればよかったのにと願っているわ」と本音をのぞかせています。
リーブが背負う“昨季の遺恨”という背景
この問題には伏線があります。リーブは昨季のセミファイナルで、トーマスがスティールを狙ってリンクスのナフィーサ・コリアーに突っ込み、コリアーが足首を負傷してシリーズ残りを欠場した一件を経験しています。あのときもノーコールで、激怒したリーブは試合後に審判とリーグ首脳を痛烈に批判し、第4戦の出場停止処分を受けました。皮肉にもそのシリーズはマーキュリーが3勝1敗で制しています。パーカーはロサンゼルス(2016年)、シカゴ(2021年)、ラスベガス(2023年)で計3度の優勝を、デレ・ドンヌは2019年にミスティクスで頂点に立った実力者であり、長く第一線で接触の激しさを体感してきた当事者たちの言葉だからこそ重みがあります。
人気急騰の代償と、改善への手応え
3人が共通して指摘したのは、リーグの人気急騰が世間の注目と議論を増幅させているという現実です。パーカーは女子バスケの成長が多様な意見によって支えられてきたと語り、可視性の高まりには光と影の両面があると整理しました。一方でリーブは、審判やリーグとの意思疎通については今季「確実に近づいている」と一定の改善を認めつつ、次の段階としてチーム内にとどまらない対外的な透明性の向上を求めています。ここからは独自の見立てですが、クラークの登場で新規ファンが一気に流入した今こそ、リーグは“激しさ”と“安全”の線引きを公の場で示す必要に迫られています。スター選手の離脱は競技の魅力を直接損なうため、選手保護はもはや美談ではなく興行を守る経営課題だと言えるでしょう。
関連情報
パーカーとデレ・ドンヌの殿堂入り式典は、この会見の翌日にあたる現地6月27日にテネシー州ノックスビルで執り行われます。一方、当のクラークは背中の張りもあり、当面の試合での起用が慎重に見極められる見通しです。トーマスの一件をきっかけに高まったレフェリング論争が、シーズン後半のリーグ運営にどう反映されるのか、引き続き目が離せません。
引用:https://www.espn.com/wnba/story/_/id/49191242/ex-stars-parker-delle-donne-say-wnba-protect-players-better

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