ナターシャ・クラウド wnbacファンブログ

「あなたはいつも私が守ります」──会見を欠席したクラウドがスレッズに残した一文と、「タッシュのために立つ」と語ったマーシュ

 

インディアナ・フィーバーが113対90でシカゴ・スカイを下した23日の試合は、終わってからのほうが騒がしくなりました。第3クォーターにコートサイドから退場になったイネス・カンター・フリーダムの一件をめぐって、当事者であるナターシャ・クラウドが取材に応じないまま、SNSに短い文章を残したからです。翌日にはヘッドコーチのタイラー・マーシュがはっきりと彼女を擁護し、カンター・フリーダム本人も自分の側から見た経緯を語りました。同じ数十秒の出来事について、まったく違う物語が三方向から出てきたというのが正直な印象です。

会見には出ず、投稿だけを残しました

複数の報道によると、クラウドは試合後にチームとリーグの警備担当と面会し、メディアの取材には応じていません。その後、彼女はスレッズにトランスジェンダーの人々へ向けた短い文章を投稿しました。あなたはこのコミュニティの一員で、居場所があり、そのままで完璧だという内容で、文末は「あなたはいつも私が守ります」と結ばれています。誰かへの反論ではなく、自分が誰の側に立っているかだけを示す書き方でした。

この日のクラウドは16得点4リバウンド7アシストで、チーム最多得点です。ただ、フィーバーのバックコートは止められませんでした。ケイトリン・クラークが37得点10アシスト、ケルシー・ミッチェルが30得点。二人だけで67点を積み上げられては、どんな守り方をしても苦しくなります。スカイはこの敗戦でプレーオフ進出の可能性が消えました。シーズンの終わりが確定した夜に、チームの話題が順位表ではなくコートサイドの口論になったわけです。

「私たちはタッシュのために立ちます」

試合後の会見で、マーシュは質問をかわしませんでした。クラウドはチームを守り、守られるべき人を守る存在だと本人に伝えたと明かしたうえで、「私たちはタッシュのために立ちます」と語っています。さらに、彼女は情熱的で、信じるものにもチームメイトにも情熱を注いでいること、お互いのために体を張れるチームであることを誇りに思うという趣旨の言葉も残しました。クラウドが「気を散らす存在」だったという見方を、指揮官が正面から否定した形です。

クラウドは今季からスカイに加わった11年目のベテランです。加入1年目の選手について、ヘッドコーチがここまで踏み込んだ言い方をするのは珍しいことだと思います。フォワードのアズラ・スティーブンスは、あくまで警備が対応した「ファンとのトラブル」だという整理をしていました。表現の温度には差がありますが、少なくとも公の場でクラウドを切り離す発言はチーム内から出ていません。

一方、フィーバー側は距離を取りました。クラークはこの件を問われ、自分は見ていない、次のプレーのハドルで話題に出た程度なのでシカゴに聞くべき質問だ、という趣旨の答えをしています。上位シード争いの渦中にいる選手が、余計な火種に近づかない判断をしたということでしょう。

二つの説明が、まったく重なりません

カンター・フリーダムは退場後、自分の側から見た経緯を語っています。ベースライン際の席でソフィー・カニンガムの3ポイントを両手を上げて喜んだところ、数ポゼッション後にクラウドが戻ってきて声を上げた、というのが彼の説明です。自分は女性を守るためにここにいると答えたこと、子どもや十代の観客が大勢いる場で強い言葉が使われたことに驚いたことも述べました。着ていた「WOMAN noun. adult human female.」のTシャツが相手を刺激したのだろう、という見立ても示しています。

対するクラウド側の説明は、いまのところ投稿の数行だけです。つまり、経緯についての詳しい証言は片側からしか出ていません。映像で確認できるのは、クラウドが歩み寄って声を上げ指をさしたこと、カンター・フリーダムが立ち上がって腕を広げコート側へ一歩踏み出したこと、そこで警備と選手が割って入ったところまでです。どちらが先に何を言ったのかは、映像だけでは決まりません。この非対称のまま拡散が進めば、言葉を多く残した側の物語が事実として定着していきます。

リーグに残された実務的な宿題

気になるのは、リーグが何を基準に動くのかがまだ見えないことです。カンター・フリーダムは今月、2027年4月のWNBAドラフトへの志願を表明し、リーグは12日にこの議論を悪意あるものだと非難する立場を示しました。声明で線を引くところまでは済んでいます。ただ、当事者がチケットを買って実際に会場へ来るという段階になると、対応するのは現場の警備と、目の前に立たされる選手です。

もう一つは、負担の置き場所です。クラウドはこの数日で、投げ込まれた物によって試合が中断した22日のバルキリーズ戦も経験しています。会場で起きるバスケットボール以外の出来事に、そのつど選手が反応を求められる状況が続けば、消耗するのは選手のほうです。ドラフトまではまだ8カ月あります。会場運営とファンコードの運用をどう具体化するのかは、今季の残り試合のうちに輪郭を示しておきたい課題ではないでしょうか。

今後の試合と関連情報

スカイはプレーオフ進出の可能性が消え、残り試合は来季につながる時間になります。クラウドが次にどのタイミングで取材に応じるのか、そしてホームコートの空気がどう変わるのかは、順位表とは別の見どころです。フィーバーは25勝14敗で上位シード争いを続けており、クラークとミッチェルのバックコートがこの水準を保てるかが終盤戦の焦点になります。両チームの試合日程と中継予定は、WNBA公式サイトで確認できます。

引用:https://sports.yahoo.com/articles/she-passionate-sky-coach-proud-135016597.html

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です